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10月, 2019の投稿を表示しています

ラジオ英会話

1日15分。平日5日間 『 ラジオ英会話 』は、NHKの語学番組の一つで、タイトル通りラジオで放送されています。インターネットラジオで聴くこともできますし、 ストリーミング放送をPCで聴いたり 、 語学番組専用のアプリケーション を使って、スマホやタブレットで簡単に聴くこともできます(※ただしストリーミング、アプリで聴く場合、当週の放送内容は翌週の月曜日に配信されます)。 この番組は1日15分で、平日5日間放送。週末にはその週の放送をまとめて流しているので、聴きそびれた場合は週末に取り返すことができます。 安価な英会話勉強法 ラジオを聴く・インターネットラジオで聴く分には無料です。テキストも1か月およそ500円。普通に英会話教室に通うのと比べれば、とてつもなく安いといえるでしょう。しかし内容は本格的で、じっくり取り組めばきちんと英語力が付く…と言われています。英語教材を比較する雑誌やムックなどを見ると、高く評価されているのです。 私もまだ始めて1か月程度。他の勉強法にも取り組みながら、徐々にレベルアップしていきたいなと思っています。 放送内容 テキストは1日あたり4ページです。あまり多くはありません。 短いスキットがネイティブスピーカーによって演じられる スキットの意味の説明 スキットの中から、重要な表現や構文の解説、発音練習 重要な表現を使った他の例、応用例の紹介 スキットに出てきた表現や構文を用いて作文し、発声する問題  およそこのような構成です。印刷テキストの内容をおおむね正確に追う内容になっており、朝自宅でさっとテキストを眺めた後、電車の中でテキスト無しで聴く、という勉強も可能でしょう。 講師陣 大西泰斗氏が全体を取り仕切り、英国出身のクリス・マクベイ氏、アメリカ出身の秋乃ろーざ氏がスキットの発音などを担当しています。 解説の途中で、大西氏が他の二人に「この表現のニュアンスはどんなものでしょうか?」などと尋ね、ネイティブスピーカーの「感覚」の説明を求める箇所があります。ここがナチュラルな英語の聴きどころになっていて、聴き取れて意味が分かるととてもうれしいです。 他の番組、勉強法とあわせて取り組みたい  1日4ページ、15分というのは、いかにも語学の勉強量、勉強時間としては少ないです。講師三人のやりとりが面白く

最近の図書館についてあれこれ

 図書館の勧め 自宅から徒歩で行けるところに、市立の図書館があります。 そんな有利な事情があることもあって、私は図書館をよく使います。 まだ自分がよく知らない、新しい分野について、 定番の教科書や、古典的な本、あるいは入門者向けの新書に当たりたい、という場合、こんなに安上がりで済む手段は無いと思います。 自分の住んでいる町の図書館はもちろん、近隣の市の住民も貸し出しカードが作れます(※図書館同士が提携している場合)。住所だけでなく、勤務先がその地域にある場合も利用可能な場合が多いです。 Webで検索、予約できる。返却も便利に 公立の図書館の、 近年のサービスの充実ぶりは目を見張るものがあります(※税金での運営を正当化できる成果が求められており、貸出数・利用者数を増やすため、という背景があります。それは良い面もあれば悪い面もあると思うのですが、本稿ではくわしく触れません)。 たとえば、多くの図書館は、Webサイトを公開しています。そしてサイトでの検索、予約ができるようになっています。本の準備が出来たらメールで通知してくれるのはもちろん、大きい市では複数の図書館を持っていることがありますが、受け取る館が指定できたりもします。 探している本が無い場合、提携している近隣の市で探した上で借りてくれたり、希望する本を購入してもらう仕組みがあったりします。 また、以前は図書館が開いている時間に返却に行かなければいけない、ということがありました。最近は、閉館後のための返却ポストが設置されていますし、市によっては近隣の鉄道駅に返却ポストを置いている場合もあります。 最近は図書館を使っていなかったな、という方は、自分の住んでいる町の図書館について、サービスを調べてみることを強くお勧めしたいですね。 Libron - Amazonで本を探すと、近所の図書館も調べてくれる 「本はたいがい、Amazonで買うんだよね」という方のために、図書館を便利に使う、LIBRONというソフトウェアがあります。 LIBRON 図書館をもっと身近に WebブラウザChrome、Firefoxのプラグインとして動作します。ブラウザを使ってAmazonのサイトを開いているとき、ブラウザの上部にLibronの設定バーが表示されます。プラグインをインストールした後、ここで利用する

100分de名著

週に25分、月に100分で、古今東西の古典に入門する この記事では、本の紹介ではなく、NHK教育で放送されている番組『100分de名著』 を紹介します。 https://www.nhk.or.jp/meicho/ 1か月に1冊の古典を取り上げ、週1回25分、1か月(4回)合計100分間かけて、その本の世界に入門させてくれます。 各回は、研究者・専門家による解説だけでなく、俳優による朗読、アニメーション等を使ったVTR、過去の映像化作品からの抜粋などで構成され、飽きずに見ていられます。 そして1か月見続けると、教科書でタイトルだけ見たことがあった古典が、急に身近に感じられるようになっているのに気付きます。そうなったらしめたもので、書店にいってその本を買いましょう。意外なほどすらすら読めて、楽しめること請け合いです。 これまでに取り上げられた本から  私はこの番組を通じて、いろいろな名著を読んでみる機会が得られました。 『 ソラリス 』 『 ソロモンの指輪 』 『 大衆の反逆 』 『 永遠平和のために 』 『 茶の本 』 『 方丈記 』 『 徒然草 』 タイトルは知っていても、読んだことはない、という本を、実際に読むことができた。これは人生をかなり豊かにしてくれたと思います。 たとえば、「茶の本」なんかめっちゃ面白いですよ。西洋と対峙した日本人が、自分たちの中に何を見出したか。とても考えさせられます。 「ソラリス」を読むと『双亡亭壊すべし』で藤田和日郎氏がどういうふうに「海のすがたをした生命体」を理解し、アレンジしたか、想像を巡らせたりできます。 必ずしも、読むのが易しくなるわけではない ただ、仏教の経典(法華経、般若心経、維摩経など)は、さすがにもとの本に当たるまで行きませんでした… スピノザの『エチカ』も難解で、もとの本は読み進められていません。 やはり、この番組で学んだ後、じっさいに読むか、読めるかは、番組を楽しく見られるかどうかとは別問題ですね。そこは割り切ってみるのがいいと思います。本を先に読むか、番組を先にみるか。それも同様で、割り切りが必要です。 紙のテキストもあります NHK出版による テキスト もあります。もとの古典を買うのがためらわれる場合は、このテキストを買って、番組視聴の前後に読むのが

ゆたかな社会

「ゆたかな社会」と言ってよいか 人前で「日本はゆたかな社会だ」と言ったならば、「いや、子どもの貧困が問題になっているじゃないか」「社会的インフラの老朽化が問題になっている」などといった反論が出るだろう、ということは、すぐに思い浮かびます。 しかし、小売店舗に目を向ければ、町中の皆が買っても買い切れないくらいに、食べ物や、雑貨、衣料品、その他の商品があふれています。「日本はゆたかな社会ではない」と断言するのも、なんだかおかしいように思えてなりません。 私的な経済の成功と、公共的な財の構築の失敗 ガルブレイスは、本書で、私的な財を生産することに成果を挙げている点について、また生命の維持にかかわるほどの貧困が減少したことについて、現代アメリカを「ゆたかな社会」と言います。 一方、公的な財(代表としては、人の教育、走りやすい道路など公共の施設、美しい自然など)の構築・整備が少ないこと、また分配が少ないことを指摘して、これを成功と考えていいのか、と問うています。 解決策 本書はインフレの時代に書かれたので、インフレが経済政策の課題として取り上げられています。そしてインフレを抑制しようとする政策は、『生産』を重視する通念によって(インフレを抑制すれば生産が減ると予想されることから)批判・否定されてしまう、というような話に、けっこうなページが割かれています。 そんな時代に書かれた、次なる「ゆたかな社会」のためのガルブレイスの提案は、公共的な財への投資。貧しい人たちの教育。「生産」ではなく「仕事」を増やすこと、などです。総需要が足りず、デフレと思われる今の日本と、処方箋が似ているのは不思議な気もします。「公共的な投資が足りない」が鍵なのでしょう。 「通念」  ガルブレイスの本を読むと、「通念」という言葉がしばしば使われています。これは(学者が、学会で使う専門用語ではなく)社会一般で流通し、信じられている考え、場合によっては妄信、迷信のようなもの、を指します。 ケインズ経済学を学んだのち、戦時下のアメリカ政府で物価統制の仕事に当たり、またさらに後にインド大使を勤めたガルブレイスは、研究者の目で見る現実や、必要と思われる対策と、実際に社会の支持を得て実行される政策の間に距離を見たのでしょう。 おかしな理屈が、「通念」として社

建築知識 2019年10月号 パースと背景画の最新技術

「プロの描き方を学ぶ」ための特集から、「プロのものの見方」を学ぶ  絵を描く人たちが、ツイッターでこの雑誌のこの号を話題にしているのをちらっと見て、気になったので購入しました。 私は絵を描きません。わかりやすい、うまい絵をすらっと描けるようになりたいなあとは思いますが、そのために必要な訓練を思うと、なかなか本腰を入れて勉強に取り組むことが出来ません。 にもかかわらずこの雑誌を手に入れたのは、分析的に・教えるために描かれた「描き方」は、「ものの見方」を含んでいるからです。 僕は「プロのものの見方」を知りたくなったのでした。 建物を含む絵、建物の構造を表す絵、建物の中の人間の動きを表す絵 これはすごい記事でした。想像していたのよりさらにすごい。 建築の雑誌ということで、建物に関連する絵の描き方が取り上げられています。町の中にその建物が建ったらどう見えるか、建物の中の間取りはどうなるか、建物の中で人が暮らしたらどうなるか。建築家が頭の中で構成する空間を、絵に表し、他の人(顧客・施主や、大工さん)に分かりやすく伝えるためのノウハウが、明確な理論と、豊富な作例で示されています。 とにかく大変な情報量なのですが、それでいて見やすいのは、雑誌の紙面のレイアウトや、情報の提示の仕方がとてもスマートだからでしょう。 これはイラスト・漫画を描く人だけでなく、Webデザイナーの方や、インフォグラフィックデザイナーの方、さらには自分のプレゼン資料をより分かりやすく・インパクトのあるものにしたい方まで、視覚的なコミュニケーションに関わる人の多くに参考になるのではないでしょうか。  なお、雑誌『建築知識』は、2018年12月号「一生使えるサイズ事典」も話題になったようです( ねとらぼの関連記事 )。私は建築とは全然かかわりのない仕事をしていますが、こういう出会いがあるから雑誌は面白いですね。 付記:風景画の分析 そもそも私が「絵を描くための分析的な手法」について興味を持ったのは、NHK教育テレビで 増山修 氏の番組をたまたま見たのがきっかけでした。増山氏はアニメの背景をやっていた人なので、(建物の有無に限らず)風景についての手法を紹介しています。こちらもとても面白いですよ。

近代建築そもそも講義

 「ざんねん名所」って言わないでほしい  札幌の時計台、「ざんねん名所」なんて言われ方があるようですが、軽々しく「ざんねん」とか言ったらいかんのですよ! 明治維新の後、欧米から技術者・教師を招いたことはよく知られています。その中には土木や建築の専門家もいました。彼らは設計をしましたが、その建設・建築には、日本人があたりました。 欧米人が設計した欧米風の建築を、日本の大工が作る。このとき、いろいろな文化や技術が融合して、新たな文物を生み出されていたのです。 時計台をはじめとして、各地(おおむね県庁所在地)には、こうして生み出された和洋折衷の建築物(県庁舎や、県議会、学校など)があります。こういう建物をよく見ると、面白い趣味が見い出せます。 近代建築のそもそも 欧米から流入した文化を、日本人はどう受容・変容させたのか?というのは、どの分野でも興味深いものです(少なくとも、僕にとっては)。例を挙げれば、歌舞伎に『葉武烈土倭錦絵(ハムレットやまとにしきえ)』という演目があります。言うまでもなく、ハムレットの歌舞伎版です。発表されたのは明治19年です。すごいことしますよね、昔の人は。 こうした「文化の翻訳」「文化の交雑」という広いテーマの中でも、建築技術・住居文化について取り上げているのが本書です。 紹介されている建物がいちいち面白い。たとえば、天守閣を持つお城のような「第一国立銀行」とか(※明治時代には、その姿が浮世絵の題材にもなっています。 東京名所図会 海運橋通り 第一国立銀行 )。 建築の様式を専門用語で語るばかりではなく、関わった設計者・建築家の来歴に触れながら、なぜそのような形式・姿になったかが丁寧に語られていて、とても面白いです。 建築探偵 著者は藤森照信氏と大和ハウス工業総合技術研究所。本書は、両者で担当した週刊新潮の連載を抜粋・再編集したものだそうです。 藤森氏は「建築探偵」の異名でも知られる建築家にして、江戸東京博物館館長。江戸東京たてもの園にも協力しています。この本を書くのはこの方しかいない、ですね。 本書の文章はそっけない短文が淡々と積み重なっているのですが、全体として魅力にあふれた本になっています。きちんとした構造のうちに、部品を組み上げていくようで、なんとなく建築家っぽいな、なんて思ってしまいました。

「地元チーム」がある幸福 スポーツと地方分権

地元から世界へ 私が住む市には、サッカー(男女)、ラグビー、アメリカンフットボールのチームがあり、市を挙げて応援に取り組んでいます。 サッカーチームには元日本代表が所属しているので、「この町は、サッカーというスポーツ、このクラブを通じて、日本のトップレベル、ひいては世界とつながっている」と感じることができます。 一方で、クラブの選手が近所の小学校にやってきてイベントをしたり、試合前に最寄り駅でサポーターがチラシを配ったりして、身近でもあります。 この「地域に密着しながら、日本と、世界とつながっている感覚は、まさに幸福だ」という、タイトルへの共感があって、この本を手にしました。 著者は格差論で知られる経済学者 社会の格差には多様な面があり(経済的な格差だけでなく、文化的な格差もある)、複雑な問題です。その問題に取り組んでいる学者さんなので、多面的で面白い分析を期待したいところですよね。    様々なスポーツによる地域振興 第一章はスポーツにおける中央集権に対する批判です。「地元スポーツ」の価値と対置したいのでしょうが、もっと少なくてよかったんじゃなかろうか。ひがみっぽい話になっていると思いました。 以後の章では、野球、サッカー、バスケットボールのそれぞれのプロリーグの状況、チームの経営状況の記述、その他さまざまなプロスポーツに関する話題が幅広く取り上げられています。成功事例として複数のチームが挙げられているほか、「ダービーマッチ」などスポーツに関わるキーワードが取り上げられているので、今後この分野について調べていく上で参考になりそうです。 幅広い記述。少し掘り下げ不足か いろいろなスポーツについて、幅広く取り上げているせいか、本来のテーマである「チームと地域との関わり」という点についてみると、不十分だと思いました。 特に、「地域との関わり」という点についていえば、Jリーグの地域での育成を視野に入れた制度設計は特筆するべきことだと思うのですが、ほとんど触れられていません。 一方、経済学者らしく、地方のチームの財政面の課題について触れてあるのはさすがだと思いました。ただ、それにしたところで、Jリーグチームの財政面の改善策が「登録選手を若干増やして、週2回のゲーム開催を3回に増やす」

月はぼくらの宇宙港

子ども向け『月はすごい』  『月はすごい』 の著者佐伯和人氏の本。ただし、出版はこちらの方が先です。そのため、各国の月探査の情報などは少し古くなっています。とはいえ小学校高学年以上に向けて書かれており、とてもわかりやすい。読書感想文の課題図書にもなったとのことです。 月の科学的知識の話から始まり、タイトルにある「宇宙港」として月を利用するに至るところまで、幅広い内容をわかりやすく描いています。 佐伯先生はすごい いや、ほんと、佐伯先生の文章はこなれていて、本当にすんなり読めます。 また、随所に身近なもので出来る実験が紹介されているのも面白い。興味がかきたてられ、あっという間に読み終えました。 子ども向け入門はすごい 一流の科学者・専門家が、編集者と協力しながら、子どもに分かるように、面白がって読んでもらえるように工夫して作っていることが分かります。 本書に限らず、読書感想文の課題図書に挙がるような本は素晴らしいものが多いので、「大人だから」と構えずに、子ども向け入門でも、手に取って読んでみたらいかがでしょうか。

『月はすごい』が、この本もすごい

なぜこの本を読もうと思ったか 最近になって『宇宙兄弟』を読み始めました。この作品では、宇宙飛行士の選抜から、訓練、月での活動まで、丁寧に描かれています。とても面白いです。 そして、この物語が単純なきれいごとや、簡単なご都合主義に陥らないのは、科学的・技術的な部分の描写がおろそかになっていないからだと思うのです(もちろん、未来の話なので、少し物語として作ってある部分はあるようです)。 その科学的・技術的な部分を、もう少しわかると、もっとこの作品を楽しめるんじゃないか。そう思ってこの本を手に取りました。 この本の何がすごいか 「月」という身近な天体について、基礎的な事実から、科学的に興味深い話、今後の探査・調査の課題、さらには人類による月資源の利用まで、実に網羅的に書かれています。それが新書という小さなフォーマットに収まっているのですから、これはお買い得・読み得です。 この本の著者もすごい 網羅的な話題を飽きさせずに読ませる著者は、月の探査機の機材の設計・開発にあたっている研究者の方です。一般向けの本は3冊目ということですが、とてもこなれた文章で、本当に面白く読ませてくれます。 ときおり脱線するのですが、それも面白いです。本書の中で、研究者として論文を読んでいるときに子どもの頃に歌った「月」の歌について感じたことを思い出して、反省し、また感動する、という箇所があります。「なるほど、こういう感性がある人が科学者になるのだなあ」と感心してしまいました。 この本の次に この本の巻末の書籍のリストに、実は『宇宙兄弟』が挙げられています。すごいな宇宙兄弟。そちらを楽しむのもよいですし、より分野を絞った専門書へ進むのも面白そうです。中国・インドが月探査に本格的に取り組んでおり、また日本の探査機の計画も進んでいるということで、いま勉強しておくとこれから数年楽しそうですよ。