なぜこの本を読もうと思ったか
最近になって『宇宙兄弟』を読み始めました。この作品では、宇宙飛行士の選抜から、訓練、月での活動まで、丁寧に描かれています。とても面白いです。そして、この物語が単純なきれいごとや、簡単なご都合主義に陥らないのは、科学的・技術的な部分の描写がおろそかになっていないからだと思うのです(もちろん、未来の話なので、少し物語として作ってある部分はあるようです)。
その科学的・技術的な部分を、もう少しわかると、もっとこの作品を楽しめるんじゃないか。そう思ってこの本を手に取りました。
この本の何がすごいか
「月」という身近な天体について、基礎的な事実から、科学的に興味深い話、今後の探査・調査の課題、さらには人類による月資源の利用まで、実に網羅的に書かれています。それが新書という小さなフォーマットに収まっているのですから、これはお買い得・読み得です。この本の著者もすごい
網羅的な話題を飽きさせずに読ませる著者は、月の探査機の機材の設計・開発にあたっている研究者の方です。一般向けの本は3冊目ということですが、とてもこなれた文章で、本当に面白く読ませてくれます。ときおり脱線するのですが、それも面白いです。本書の中で、研究者として論文を読んでいるときに子どもの頃に歌った「月」の歌について感じたことを思い出して、反省し、また感動する、という箇所があります。「なるほど、こういう感性がある人が科学者になるのだなあ」と感心してしまいました。
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