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11月, 2020の投稿を表示しています

原発事故の処理・エネルギー政策について考える前に勉強してみた

  福島第一原発の事故後の処理は、事故発生から9年を経た今の時点から見ても、さらに30年以上を要する、長期にわたる取り組みが必要な事案です。 現場で作業に関わる方はもちろん、たくさんの関係者の仕事のおかげで、徐々に・着実に処理は進んでいるようです。そして、状況が変わっていく中で、課題も移り変わっていっています。 2020年は、「放射性物質により汚染された水を、どのように処理していくか」が大きな課題として話題になりました。 汚染された水は、ALPSという処理施設によって処理され、多くの核種の除去が行われた上で、一次処理水として、いったん原発の敷地内のタンクに貯蔵されています。 貯蔵されている処理水には、除去が難しいトリチウム(三重水素。水素の放射性同位体)が含まれていますが、さらに処理を行い、トリチウム以外の核種を減らす二次処理をした上で、海水で希釈、海に流す案が検討されています。 さて。 こうした状況説明の後で、「どのような方法で処理するのがよいか」と聞かれた場合、皆さんはどうしますか? この件がニュース番組等でも話題になりはじめたのは2019年でした。そのとき、私の頭に浮かんだのは、「トリチウム(三重水素)って何だっけ?」「放射能、放射線ってひとことで言いがちだけど、事故当時報道されたアルファ線とかベータ線とかって言葉って何だったの?」「ベクレルとかシーベルトとかいろいろ単位が出てきたけど、今度のトリチウムってのはそれで言うとどんなもんなの?」という疑問でした。原子力発電の原理はもちろん(熱で湯を沸かしてタービンを回すということくらいは知っていましたけど)、そもそも核分裂とはなにか、今の福島第一原発の状況はどうなのかなど、ほんとにちゃんと知らんなあ、と思ったのです。 事故当時、不安な中でざっと調べたり勉強したりした範囲では、住んでいる・働いている場所では自身にも家族にも問題は起きそうにないし、専門家の皆さんが行っている対処は適切なように思えたので、(長い取り組みが必要そうだ。発電してもらってた立場として支援することができるならしたいものだな)と思う程度で、さらに丁寧に勉強するまでしなかったのです。 怠惰な自分がイヤになるところですが、当時は当時でしかたなかったのでしょう。過去を悔いてもしかたないので、改めて勉強することにしたのでした。 大きめの書店に行くと、東日

学校におけるSaaSの普及のために、ユースケースを紹介する

感染症により強制された 学校のデジタル化  2020年、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、小学校から大学まで、一斉に休校になり、その後オンラインシステムなどを利用した遠隔授業の取り組みが始まりました。 休校が終わった後も、修学旅行や文化祭・体育祭などの各種行事の縮小やオンライン化が行われています。 この間、子どもたち・若者たちの教育を止めないために、様々な方が努力をしていました。感染症の拡大という緊急事態のもとで、十分な準備が出来ない中での取り組みですから、大変な苦労があったものと推測します。 Google for EducationなどのSaaS。「どう使うか」を誰が教えてくれるか? あのような情勢下でしたから、なにより迅速さが必要だったわけで、SaaSの利用は、必然的だったろうと思います。 ところで、「よし、XX業務のシステムは、SaaSで行こう」となったら、最近のITエンジニアであれば、 ベンダーが公開しているオンラインのドキュメントを読んで基本の使い方を学ぶ 使いながら徐々に応用的な使い方を調べたり、問い合わせたりする 必要なカスタマイズをする 随時組織内にノウハウを蓄積・共有する …という風に取り組むことでしょう。専門知識や経験のあるITエンジニアであっても、失敗・間違いがあり得ることを覚悟しながら、前に進めます。 ITエンジニアではない学校の先生がた、教育委員会の方々が「教育でIT・SaaSを使う」となったのですから、取り組み当初、その胸中ではかなり不安だったのではないかと推察します。 Webサイトや書籍で、SaaSの機能の説明を読んでも、「それをどう使ったらよいのか」「どう使ったら安全なのか」想像するのは簡単ではありません。 「ユーザー(潜在的な顧客・ユーザーも含む)に対して、そのツールのユースケースを語る」という役割の人が、ことSaaSについては、いまだ足りていないのかもしれない、と思います。  ユースケースに注目した書籍 『今すぐ使える!Google for Education』 は、Google for Educationの利用拡大・普及に努めている方々が書いた本で、Googleの各サービスを 機能ごとに紹介するのではなく、ユースケースに焦点を当て、 章に立てています。 学校で、先生や児童・生徒が「どう使うか」に焦点を当てているわけですね