スキップしてメイン コンテンツに移動

最近の図書館についてあれこれ

 図書館の勧め

自宅から徒歩で行けるところに、市立の図書館があります。 そんな有利な事情があることもあって、私は図書館をよく使います。
まだ自分がよく知らない、新しい分野について、 定番の教科書や、古典的な本、あるいは入門者向けの新書に当たりたい、という場合、こんなに安上がりで済む手段は無いと思います。
自分の住んでいる町の図書館はもちろん、近隣の市の住民も貸し出しカードが作れます(※図書館同士が提携している場合)。住所だけでなく、勤務先がその地域にある場合も利用可能な場合が多いです。

Webで検索、予約できる。返却も便利に

公立の図書館の、 近年のサービスの充実ぶりは目を見張るものがあります(※税金での運営を正当化できる成果が求められており、貸出数・利用者数を増やすため、という背景があります。それは良い面もあれば悪い面もあると思うのですが、本稿ではくわしく触れません)。
たとえば、多くの図書館は、Webサイトを公開しています。そしてサイトでの検索、予約ができるようになっています。本の準備が出来たらメールで通知してくれるのはもちろん、大きい市では複数の図書館を持っていることがありますが、受け取る館が指定できたりもします。
探している本が無い場合、提携している近隣の市で探した上で借りてくれたり、希望する本を購入してもらう仕組みがあったりします。
また、以前は図書館が開いている時間に返却に行かなければいけない、ということがありました。最近は、閉館後のための返却ポストが設置されていますし、市によっては近隣の鉄道駅に返却ポストを置いている場合もあります。
最近は図書館を使っていなかったな、という方は、自分の住んでいる町の図書館について、サービスを調べてみることを強くお勧めしたいですね。

Libron - Amazonで本を探すと、近所の図書館も調べてくれる

「本はたいがい、Amazonで買うんだよね」という方のために、図書館を便利に使う、LIBRONというソフトウェアがあります。

LIBRON 図書館をもっと身近に

WebブラウザChrome、Firefoxのプラグインとして動作します。ブラウザを使ってAmazonのサイトを開いているとき、ブラウザの上部にLibronの設定バーが表示されます。プラグインをインストールした後、ここで利用する図書館を登録しておきます。
設定のあと、Amazonで本を検索すると、検索結果の画面に、登録した図書館に蔵書があるか調べた結果を追加表示してくれます。さらに、当該の図書館の予約画面に進むリンクまでも表示されます。
「図書館にあるなら、借りてみるか」という使い方ができるわけです。

変わり種の私立図書館

図書館の利用としては応用編になるかもしれませんが、私立の図書館も存在します。私立図書館は特徴、強いこだわりがある図書館ばかりなので、(特に興味が無くても!)一度は行ってみると面白いと思います。
公立図書館とは違い、多くは有料です。閉架になっていて、見つけた資料はコピーを取る前提になっている場合もあります。館外には持ち出せない・貸し出しないなど、公立図書館の常識とは異なるので、その点は各館の利用の手引き・注意事項にしたがって、注意して使って欲しいと思います。

雑誌の図書館 大宅壮一文庫

まんがとサブカルチャー 米沢嘉博記念図書館

複合施設化の流れも

公共施設を、コンパクトにまとめていく流れがあるようです。維持費、運営費を減らすためです。図書館とホール、その他の市民施設(子供の遊び場など)を一つの建物にまとめるわけです。
さらに、喫茶店など民間運営の店舗を入れることで、サービスの多様化および施設の収益性の向上を目指しているケースも増えています。
実際に行ってみて使ってみると、いろいろな楽しみ方・利用の仕方があることに気付けます。本当に、図書館はお勧めです。

コメント

このブログの人気の投稿

プロダクトデザイナーの頭と目と手

月を撃つ NHKの番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』で奥山清行氏の仕事ぶりを見ました。それで印象に残っていたので、氏の著作『ムーンショット デザイン幸福論』を 図書館で見つけた時、すぐに借りてみることにしたのでした。 読んでみて分かったのは、「プロダクトデザイン」という仕事は、「モノの外見をスマートな絵で描いてみせる」という範囲に留まるものではなく、「人が使うモノを、きちんと機能するモノとして、工業生産するモノとして、描き出す」仕事なのだということ。 実現するためには、沢山の人と協働する必要があり、組織やプロジェクトを牽引するディレクターとしての役割もあるのだなあ、すごい技能と腕力を持った人の仕事なのだなあと感心しました。 義足のデザイン プロダクトデザインという仕事について関心を持つようになって、次に図書館で見かけて借りてみたのは、山中俊治氏の『カーボン・アスリート』でした。 陸上競技に取り組む人の義足をどうデザインし、どう作るか。義足を付ける本人はもちろん、義肢装具士(※)との対話には、なんとなく緊張感が漂っています。これがプロの凄みというのでしょうか?一人ひとり違う障害、同じ人でも変わっていく肉体に、義足というプロダクトはどうあるべきなのか。挑戦を楽しんでいるようでもあり、苦しんでいるようでもあります。 『カーボン・アスリート』だけでなく後述の本も含め、山中氏の本にはデザインスケッチが多数掲載されています。描かれたスケッチは、線の美しさとは別に、機能性を感じさせる美しさがあり、見ていて圧倒されます。 なお、この本は、慶応大学の教授として取り組んだ、学生の育成・指導の記録として読んでも面白いです。 優秀な学生が本気で一流の教師とプロジェクトに取り組む様子は、正直言うと(これは大変だったろうなあ)と思ってしまいますが、羨ましくもあります。僕も若いうちにこれくらい頑張っておけばよかったなあ…。 プロダクトデザイナーの目と手 山中氏の別の本『デザインの小骨話』は、多数のデザインスケッチと、短いエッセイからなる本です。雑誌連載をまとめた本ですね。デザイナーが頭と目と手をどう使っているのか。短いエッセイに端的な表現に詰め込まれていて、なかなか軽々と読み進ませないのが凄い。デザイナーはこんな風にモノを見、描いているのだなあ、とつくづく感心しました。 観察

「情報Ⅰ」の教科書でデジタル回路に興味を持った高校生の、次の1冊にいいんじゃないか

  先生役のキャラクターと、生徒役のキャラクターがやりとりしながら進むマンガです。 先生役の説明のセリフ・文章が分かりやすく、図解の量・質も適切だと思います。一通りの説明が終わった後の、生徒役の要約も適切で、とても読みやすいです。 (先生役の説明がヘタだったり、マンガなのに図解が少なかったり、生徒役の物分かりが良すぎたりすると つらい…) 高校の情報Ⅰの教科書では「論理回路」という見出しで取り上げられているディジタル回路。本書の前半部分を読んでいくと、さらに理解が進むと思います。また、後半の順序回路の部分は高校の教科書にはありませんが、電子回路で記憶・状態を扱えるということを学ぶと、より深い理解に進むのではないかと思います。 分かりやすくて、高校レベルから積み上げられる内容で、とてもいい本だと思いました。 一点、注意が必要かもしれないのが、出版年が少し古いということです。解説の中で、ディジタル回路の設計の近年の事情に触れられている箇所がありますが、今はまた違っているかもしれませんね。

映像制作の基礎を学ぶなら、放送大学『映像コンテンツの制作技術』

映像制作を学びたい スマートフォンやアクションカメラで撮影した動画を、うまく編集して、より面白い動画に作りこみたい、と思ったとき、意外に学びにくいことに気付きました。 書店では、特定の製品やソフトウェアのガイド書籍はすぐに見つかります。「YouTuberになろう」という本も増えました。が、より広く「映像制作」というテーマになると、途端に数が少なくなり、ハイアマチュアやセミプロを目指す人、プロの人の情報収集向けの雑誌や書籍がちらほら、という感じになって見えます。 中間(初心者が入門して、中級者になるまでのガイド)が少ない。 『映像コンテンツの制作技術』 そんなときに見つけて、受講してみたのが放送大学の『映像コンテンツの制作技術』という授業です。全15回で、カメラやマイクのようなハードウェア、映像編集・音声編集のためのソフトウェアはもちろん、企画や脚本、絵コンテまで、幅広く取り扱っています。 幅が広い分、底が浅いのでは…と思いきや、紹介されている機材は本格的で、現代の機器・ソフトウェアでどんなことが出来るのか、ざっと把握することができます。  逆に、特定の機材やソフトの使用方法は簡単に触れるだけなので(たとえば、編集の回にはFinalcut ProやDaVinci Resolveの画面がちらっと出てきます)、別にガイド等を手に入れる必要があります。 「プロは何をしているのか」「今の時代、どんなことができるのか」を知る 「今の時代の(プロ向けの)機材で、どんなことが出来るのか」「プロはどういう工夫をして、狙った映像を作っているのか」を知っていると、手元の機器で何をどうしたらいいのか、考えるヒントが得られると思います。 放送授業の視聴方法 私は放送大学の学生なので、放送授業のオンライン配信で視聴していますが、放送大学・大学院のテレビ(BS232ch)で、火曜日 16:30~17:15に放送されています(2022年10月現在)。 なお、テキストも市販されていて、 取扱書店 で購入できるほか、 Amazon などでも買えます。 ただ、やはり映像コンテンツの授業なので、テレビ放送を見るほうをお勧めしたいですね。