気が付けば身の回りはGoogleだらけ。プログラムで制御しちゃおっかな
ふと気が付けば、身の回りはGoogleのサービスだらけでした。スマホこそAndroidではなくiPhoneですし、iPadも愛用している(どちらかというと)Apple信者な私なのですが。
検索サービスやGmailはもちろん、翻訳、Map、そしてこのブログも。スマートスピーカーさえGoogle Home miniですよ(最初にリビング用に買ったのはAmazon Echoだったのに)。これはもはやGoogleのサービス無しではいられない身体と言わざるを得ますまい。
こうなってくると、私もいちおうIT業界に身を置いている人間ですので、「プログラムで制御したら便利になるかも?」ということくらいは考えるわけです。
そんなわけで、この本『Google Apps Script完全入門』を買いました。
JavaScript、VBA、オブジェクト指向の基本を勉強したことがあれば、すいすい読める
この本はとても丁寧に書かれています。Google Apps Scriptを開発・実行する手順や、ヘルプページの見方から始まり、JavaScriptの文法の説明を経て、Googleの各サービスのプログラミング方法の説明に進みます。最後に、トリガー、ユーザーインターフェース、ファイルとデータの操作、外部サイトへのアクセス、プロパティ、ライブラリと、アプリケーションを作るために便利な各種機能の紹介です。
JavaScriptの文法説明の箇所は、簡潔でありながらポイントが押さえられています。プロトタイプオブジェクトの説明の箇所など、一見して「だいぶ思い切った書き方だな」と思いましたが、「参照」の説明が前にちゃんとあるのもあって、必要十分な説明になっています。感心しました。
サービスの説明順も、SpreadsheetやGmailなど、オブジェクトモデルが分かりやすいもの・利用頻度が高いものから始まるので、読み進めやすいです。
私はもともとJavaScriptやオブジェクト指向の知識があり、Excel VBAのプログラムを書いたこともあるので、わりとスイスイと読めたのですが、そうした知識・経験が無い方も十分に読めると思います。
そもそもApps Scriptのオブジェクトモデルが分かりやすいというのもあるのかな?
この分かりやすさは、「そもそもGoogleによるサービスの抽象化・API化が上手だから」というのも一因でしょう。たぶん。
メール送信など、大昔にさわってみたJava Mail(※プログラム言語Javaのために用意された、メールAPI)と比べて、なんと思い切っていることか。汎用的なメール送信APIでなく、「自社のサービスの利用方法」として簡潔な方法を提供しようということなのでしょうね(※本当にそうかは分かりません)。
読み終わった後は、簡易リファレンスにも
この本の、各サービスの利用方法の章には、メソッドの名前・機能の表が記載されているので、簡易なリファレンスとして使えます。まあ、Googleのヘルプページを見ればよい、といえば確かにそうなのですが、膨大なAPIドキュメントから目当てのものを探すのは面倒です。簡易リファレンスは便利だと思います。
本書の短所を挙げるなら、デバッグ方法の記載が少ないこと、記載されているサンプルコードが単機能の短いものばかり、というところでしょうか。
特に、実用的な作例(Google Apps Scriptの言語としての機能を利用しながら、Googleの複数のサービスを操作するアプリケーション)が無いため、初めてプログラミングに取り組もうという人は、いざ書き始めようという段になって、どんな風に要素を組み合わせていったらいいか、途方に暮れるかもしれません。
ただ、これは「習うより慣れろ」なのかも。いきなり複数の機能を組み合わせた大きなアプリケーションを作ることを目指すのではなく、少しずつ試すのが良さそうです。
ともあれ、いまどき珍しいくらい丁寧に書かれたプログラム言語・プログラム言語実行環境の入門書です。Googleのサービスをプログラムから利用できるようになりたい人、GASに興味がある人におススメです。
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