以前から、「高校まではしっかり勉強した方がいいんじゃないか」「長い人生、環境の変化に対応しながら生きていくには、高校レベルの知識は大切なんじゃないか」と考えていました。
たとえば、「気象予報士になりたい」と思ったとき、高校レベルの数学・物理・地学の知識がしっかりあるのと、そうでないのとでは、スタート地点が明らかに違います。中小企業診断士もそう。政治経済の知識、数学の知識があるとだいぶ違います。
どんな職業に就くにしても(どんな資格を目指すにしても)、高校レベルの知識の基盤の上に、大学レベルの知識、そして各専門分野の知識や技能を積み上げていかなければなりません。
つまり、「職業生活を充実させ、様々な環境の変化に対応しながら、生きていくため」という観点で、高校までの勉強の内容はとても大事だと思うのです。
そして、自分が中年になって強く思うのは、「大学を出て数十年、もう1回、高校レベルからやり直した方がいい」ということ。
ただ、意気込みは良いものの、なかなか思うように自分の勉強(再学習)が進まないのが残念です…
放射能、ウイルス・免疫、…社会問題に対応するためには、まず「正しい科学的な知識」による判断が求められる
ところで、東北の震災、それに続いて起きてしまった原発事故、そして2020年の新型コロナウイルスの発生と、様々な災害が起きています。台風、水害、地震などを含めると、日本で暮らしているかぎり自然災害は身近なもので、明日わが身を襲ってもおかしくありません。
最近あらためて思うのは、こうした「自然災害」から身を守り、正しく振る舞い、正しい政策を求めていくにあたっても、科学的な知識・正確な知識が重要なのではないか、ということです。
なにか騒ぎが起こるたび、テレビや週刊誌がいい加減な情報をセンセーショナルに報じるのを目にします。とても残念なことです。そうしたセンセーショナリズムに踊らされないためにも、科学に関する基礎知識は、大事ではないでしょうか。
高校レベルの知識を確認して、基盤にする
そこでやっぱり高校レベルの知識です。理系分野については、標記のブルーバックスのシリーズがありました。教科書を前から読んでもいいのでしょうが、新書サイズで大人が飽きずに読めるように工夫されているのがたいへんありがたいです。
こちらを買いそろえてみました。面白いのですが、しっかり理解するにはそれなりに集中力も必要なので、時間を見つけて少しずつ読み進めています。
目次、さくいんを見る限り、ジャーナリスティックな記述(ある時期に起きた出来事を紙面を割いて丁寧に説明する)は少なく、そこはやはり「教科書」的ですが、放射能、免疫機構と細菌・ウイルスなどの基礎的な知識は扱っていますし、地震や気象のメカニズムも当然に分かりやすい図版付きで説明されています。
もしかして、中学レベルでも足りる?
ブルーバックスには、『中学理科の教科書』というシリーズもあるので、こちらも確認しました。
さすがにこちらの内容は、現代社会で注目されるような出来事の、自然科学的な理解に役立てるには、基礎的に過ぎるようです。それでも、著者の先生方は、中学生が読んで勉強に役立ち、なおかつ大人が読んでも楽しめるようなコラムを書いてくださっています。暮らしていると見聞きする現象を説明するため、中学の範囲を超えて、少し先の範囲の知識も教えてくれているので、面白い。これは理科好きを育てる良い本だと思います。
ということで、「みんな、講談社ブルーバックス、読もうぜ」というお勧めでした。
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